糖質制限ダイエットは運動しなくていいの?運動と糖質制限の関係

糖質制限ダイエットと運動の関係性を理解しておこう
一般的にダイエットというものは食事制限だけでなく、運動も併用することでより健康的に高い効果をあげることができるという認識です。運動をして筋肉をつけておけば、脂肪が燃焼しやすい体になりますし、リバウンドもしにくいと言われていますので、糖質制限ダイエットと同時に体を鍛える運動もおこなおうと考える方も少なくないでしょう。
しかし糖質制限ダイエットの場合は、これまで世間でよくおこなわれてきた脂質カットのダイエットなどとは少し性質が異なるという点を理解しておかなければなりません。そして必ずしも運動が糖質制限ダイエットによい効果をもたらすとは限らないのです。
運動をしないことを前提に考えられた糖質制限ダイエット
実は糖質制限ダイエットという方法は、運動をしないで痩せることができる減量方法として考案されました。従来のように脂質を制限するのではなく、糖質を制限する代わりにたんぱく質や脂質を中心にした食事をとることでダイエットを成功させるというものです。つまり基本的に糖質制限ダイエットにおいては運動はしなくてもよい、ということになります。
そうはいっても運動をすればもっと早くダイエットに成功するのではないか、とお考えの方、それは大きな間違いです。糖質制限ダイエットは人間が活動するために必要とするエネルギー源である炭水化物を中心にカットして糖質を制限しています。したがってその状態で運動をおこなうとエネルギーが不足してしまい、健康を損ねる可能性があるのです。
運動のしすぎが思わぬ障害を起こすことも
糖質制限ダイエットと運動があまり相性のよいものではないことは説明しました。それでも軽いウォーキング程度の運動であれば、大きなトラブルが起こることも少ないでしょう。しかしジムワークなどのハードな運動をするのは非常に危険です。前述したとおりエネルギー源である炭水化物、つまり糖質を制限していますのでエネルギー不足に陥り、ストレスホルモンと呼ばれる物質が体内に発生してしまうこともあります。このストレスホルモンはとてもやっかいな存在で、肥満や慢性疲労の原因になりますし、最悪の場合は体の免疫システムを破壊してしまうケースもあるのです。
健康のためにと始めたはずのダイエットが、体に異常をきたしてしまうのでは元も子もありません。またストレスホルモンによる悪影響で、糖質制限をしながら運動までしているのに、痩せるどころか逆に太ってしまうということもありえます。
特にかなり本格的な糖質制限を実行している方は注意が必要です。1日あたりの糖質摂取量を50g以下、あるいは20g以下といった激しい制限をしている中でハードな運動をしてしまうと、より健康に害を与える可能性が高くなってきます。
運動をしたいときには糖質を補給する
それでもダイエットとは無関係にたまには運動をしてリフレッシュしたい、という方もおられるかもしれません。その場合、運動の前後に糖質を補給してあげるようにすれば、糖質不足による異常を防止することが可能です。
糖質の補給には吸収の良いバナナや人参などがおすすめです。いずれも糖質をたくさん含んでいますので、運動の際には最適な食べ物となっています。バナナはそのまま食べればよいのですが、人参の場合はそうはいきませんので、人参をベースにした野菜ジュースなどを飲むのもよいでしょう。
人間の体はとても複雑にできており、本来は糖質も必要不可欠な栄養素のひとつです。それを省いた状態で体を活発に動かそうとすると、当然どこかにそのしわ寄せが行ってしまうことになります。場合によっては脳が栄養不足になることから、さまざまな病気を患ってしまうおそれもあるのです。くれぐれも無理な糖質制限と過剰な運動の組み合わせは避けるようにしてください。